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■無線LANの怖さを考えて!(2006.12.28)

 
ライブドアが山手線圏内に無線LANを完備すると発表したのはいつの頃だったか。モバイルで使うにはその利用地域があまりに狭かった無線LAN。セキュリティの問題はあるとはいえ、大手企業が本格的に乗り出すと聞き、いよいよ外でインターネットが当たり前の時代が来たと感じた。しかしライブドアがあんな形となり、後を引き継いだ新生ライブドアはこのたび、無線LANサービスの撤退を発表した。便利さだけを売りにして各社めいめい街中にばらまいた無線LANが、ライブドアのような大手の介入により統一したしっかりしたものになることを期待していたが、撤退後は各社へ切り売りをするため、サービス、セキュリティ共にその質の低下が心配される。
 うちの社内ではあいかわらず、無線LANの要求が強い。化学製造業の会社で、コンピュータを社内で自由に持ち運ぶ業務がそんなにあるのかと疑問を持つ。ましてワンフロアだし。特に上層部がテレビ会議の次に、この無線LANをどうしてもやりたいらしい。新しい技術に関心を持つことは構わないが、飛びついて大怪我をするのは会社の方である。一度漏れた情報は一人歩きをはじめ、複製を繰り返すから二度と取り返すことはできない。それがわからないのか、わかっていて言っているのか。
 現在、無線LANは複数の認証技術を発表しているが、そのどれもが1年程度で次の技術への移行を余儀なくされているのは、その問題性ゆえである。
 『無線LANに認証サーバを入れれば大丈夫
とPRする業者が多いが、有線が安全であるその最大のセキュリティは、認証云々の前に、接続する端末がケーブルという物理的接続に限定される点なのだ。無線のようにどこの誰とも知らない不特定の端末が、一度はネットワークに参加する形態をもったシステムは、それ自体が大きな欠陥なのだ。それを認証だの、MACアドレスだのと接続した端末をあとから制限しても、そもそも不正接続を目的に来た相手にとっては認証など敵ではない。
 どうしても使うのであれば、無線LANを別ネットワークにして、重要なデータへのアクセス経路を物理的に絶つ。利用できるのは別契約したインターネットサービスに限定する。それしかオフィスでの安全な無線LANの姿はない。
 

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■時代遅れの償却期間(2006.7.30)

 
先日半年に一度の社内OA機器廃棄を行なった。リースで機器を導入しているうちの会社ではリースの基本期間が4年のため、ちょうど4年前に導入した機器の多くが終了を迎える。4年前は、WindowsXpが発売されているもののまだWindows98の全盛期であり、大量の同OSの機器が使用を終えて戻ってきた。もちろん延長をしてもいいのだが、社内に新たに導入する業務システムの利用をWindowsXp以上に限定したため、大量の終了となった。終了後の処理はリース会社の判断により、リユースなどは行わず、もったいないことにすべて廃棄となる。しかし最近感じることだが、進化を続けるコンピュータも、メモリやハードディスクの容量、CPUの処理速度向上はここ数年落ち着きを見せており、少々型遅れの機種でも利用ができない、もしくは利用に耐えないということはなくなってきた。業務システムが対応しない、OSメーカーのサポートが切れた等の「いじわる」がなければ、終了を見直すに十分な機器ばかりだ。液晶ディスプレイに至ってはその性能が新品と変わらない。
 最近は機器の性能にばかり頼って、工夫をせずに機器負担のかかる巨大なファイルを作ったり、動画やフルカラー画像をそのまま添付して機器の性能にケチをつける社員が増えてきた。昔のルールに則って依然きっちり4年で更新する企業や、自分の下手な仕事を棚に上げて新しい機器を要求する社員は
機器メーカーにとってはいいカモかもしれない。
 やはり「もったいない」を基本に、企業も社員も意識を変えなければいけないと感じながら、廃棄業者に機器を引き渡した。毎回空しさを感じるひとときだ。


■情報部門の攻防(2006.5.29)


 これまで情報システムを守ってきた情報部門であるが、近年次々と現れる新技術への役員や利用者の要求があまりに強く、対して情報部門の意見が社内に浸透しない。それは新技術のメリットばかり前面に出し、問題点をひた隠すIT関連メーカーの策略だ。
 情報部門は社内の一部署であるから、経営者である役員の要求やOA機器を利用する利用者の意見は検討しなければならない。彼らは興味や利便性のみで要求してくる。新しいIT技術をテレビやインターネット、人の噂や評判を聞いて、「うちの会社にも取り入れればいいじゃないか!」と考えるのは当然のことである。管理人はけっしてそれを否定するわけでない。むしろ彼らの意見は企業のIT化を利用者の立場から見たアンテナであるから尊重したい。だが、メーカーの売り文句には非常に敏感な反面、疑いの気持ちは持たないし、その裏に隠れるリスクの存在には非常に疎い。
 メーカーが良いことばかり言って平然と売り、今では市民権を得てしまった例として、携帯電話が挙げられる。メール機能を取り入れた途端に
スパムメールの増加に慌て、急遽別アドレスの設定方法をユーザに連絡したり、メールの着信料金の無料化を実施したのは記憶に新しい。このまま市場に導入したらどういう問題が起きるかなど二の次であり、購買層の機嫌取りや対抗メーカーより先に売ろうとするメーカーがここにある。スパムメール問題をインターネット全体に拡げ、その対策も半端なまま、今また「おサイフ携帯」や「地上デジタル放送」なんぞ取り入れるメーカーに反省はない。
 今、企業内ネットワークに無線LANの波が押し寄せてきた。面倒なLANケーブルを引き回さずとも移動して仕事の続けられる無線LANは確かに便利だ。しかしその反面、有線LANに比べて外部からの侵入を許す可能性が高いのは事実である。しかしメーカーからは利便性ばかりを謳い、問題点は述べられない。社内からは「入れろ、入れろ」と声が出る。情報部門ではその安全性が確認できるまで導入を見送りたいとするが、頼みのIPAなどの公平な立場のセキュリティ機関もメーカーの圧力に圧されてか、最近はその記述に勢いが無い。
  良いものはもちろん導入しなければならない。が、わずかであっても問題があれば役員命令でも「ノー」と言い続けることが逆に会社への忠誠と考える。場合によっては同じ情報部門のメンバーから非難されようともである。こうした問題は一度IT管理者を任せられたならば辞職をかけてでもその信念を貫きたいものだ。

*無線LANは、有線LANと同等のセキュリティ技術が確立されれば導入していく。反対するばかりではないので、念のため。


■さようなら秋葉原(2006.1.3)


 管理人にとって秋葉原の凋落は耐え難いできごとであった。もちろん「電車男」ごときで変わるほど秋葉原の懐は小さくないはずであったが、最近気になっていた風俗街と見誤るほどの乱れた部分、いわば秋葉原の恥部が、「それが秋葉原である」がごとく取り上げられ、日本国民の「秋葉原」のイメージとして、マスコミにより強制配信されてしまったことを非常に残念に思う。
 秋葉原のイメージは当方よりさらに上の年代にはまた違った解釈があろうが、近くの学生街に大学があった関係、よく用もなく歩いては新しい発見をしたものである。あの頃珍しかったグラフィックの書けるイギリス製のコンピュータが、かの地にいち早く入荷し、そのデモを見学したものである。素敵な経験だ。その頃にもちろん、アダルトショップや赤毛のメイドなどいない。僕らにはそんな「いやらしい癒し」など必要なかった。とは言うものの少し奥に入るといろいろ怪しいものもあったから、そうしたものが欲しければこっそり足を踏み入れて努力して入手したものだ。今のように誰にも目に付くようにさらけ出すものではないのだ。まして「僕おたくです」などというやつはおたくでも何でもない。そもそもおたくに定義などないのだし。秋葉原のワビサビとでも言うのだろうか。そうした大人の趣が全くなくなってしまった。ここでいう大人とはアダルトショップのアダルトではない。念のため。
 このテーマを語るのは非常に難しく、ややもすると昔の秋葉原を懐かしむだけの主張になるし、じゃあ、どうあればいいのだと聞かれてもこうあって欲しいと語ること自体少し違う気がする。
 あらゆる分野をほじくり出して、おもしろおかしくさらけ出そうとする時代に、あいまいであったり、そっとしておくことのできるものがどんどん減ってきた。秋葉原もそのひとつである。これまで何十年も築いてきた秋葉原の歴史や意味が、頭の悪いマスコミが気まぐれで取り上げたことによりすべて失われた。
 とにかく触れて欲しくなかった。そっとしておいて欲しかった。誤解して取り上げるだけでなく、その情報に合わせてそれ自体をも醜く壊していくのがマスコミの非常に恐ろしいところである。今回はその犠牲に秋葉原が選ばれた。情報の秋葉原が情報により破壊されるなんて皮肉だ。