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■安全な静脈認証カード?(2005.6.6)
三井や三菱など大手都市銀行がスキミング被害の対抗策として、預金の補償制度と共に導入を始めたのが静脈認証カードである。個人々々で異なる手のひらの静脈のパターンを銀行カードのICチップに登録することにより、本人以外は利用できないというものだが、実は大きな落とし穴がある。このシステム自体は非常に安心できるものであり、少なくともスキミングによる読み取りは不可能となった。しかし、静脈認証に対応しているATMはごくわずかで、そのほとんどは従来の磁気読み取り方式である。このため全国のATMで利用できることを売り物にしている銀行カードの性格上、静脈認証未対応のATM装置が1台でも存在するかぎり、それらでも利用できるよう磁気も併せて取り入れられている。もちろんその磁気上にもカード情報が格納されているから、静脈認証カードであってもスキミング被害の可能性は従来の磁気カードと全く同様に残されているのだ。つまり静脈認証部分のみで磁気のないカードであれば安全だが、それらが導入できるのは普及の障害となる磁気ATM装置の廃止が行なわれてからであり、かといって現在の磁気+静脈認証カードへの利用者の移行が滞ればいつまでたっても磁気ATM装置がなくならない。それに対応するため『静脈認証カードに危険な磁気データを残す』というジレンマである。磁気と静脈認証両対応のATMに全国が置き換われば良いのだが、銀行不況の今それは非常に難しいであろう。
このことを知らない静脈認証カード利用者は、従来の磁気カードに比べて安心という誤った思い込みがあり、平気でズボンのポケットなどにじかに入れて持ち歩くかもしれない。磁気カードを持っている利用者よりも警戒しない分むしろ危険といえるから、今後逆に被害を拡大させる可能性がある。しかし銀行やそのCMではこの点を何も説明していないように思えるが...
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■なぜ騒ぐの?(2005.3.7)
会社の吸収合併による潰しあいは昔からあったことだし、なぜ今になってこんなに大騒ぎするのかわからない。人の会社が人の会社をどうしようと、こっちの知ったことではない。フジテレビ、ニッポン放送、ライブドアという、比較的知名度の高い会社がたまたまその渦中にいることで、一般大衆がやたらに関心を持ち、それをマスコミが煽っている。マスコミが騒がなければ、関係社員と、株を所有するか売り買いしようと思っている者、証券関係者、ほかその業界の人しか騒がない問題である。確かに規模や大手マスコミをターゲットにした取引であるから、大きなニュースであり一般新聞にも出たであろうが、なぜことさらに騒ぐのか。
仮に株取得目的が業界進出のためであろうが、金儲けのためであろうが、フジテレビを個人的に潰したいためであろうが、その会社や本人の金でやることであるから、どうでもいいではないか。会社の関係者でもない一般人が、これを常に自分のことのように話題にし、その行為を批判したり、また逆に応援するというのはあまりにおかしい。全国では常に会社間の合併、吸収、子会社化が起こり、弱い会社は倒産し、多くの社員が解雇されているにもかかわらずなぜこの話題だけそんなに騒ぐのか。すでにニッポン放送、フジテレビ、ライブドアの知名度作りに担ぎ出されていることに気がつかないのだろうか。仕掛け人のマスメディアたちの笑い声が聞こえてくるようだ。非常に愚かしい。
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■リーダー不在(2005.2.20)
くだらないマスコミネタを取り上げるつもりはないが、興味があれば目を通して欲しい。
芸能人がこれまで隠してきた過去の事実を暴露するテレビ番組があるが、ここに出演した未成年の女性タレントが、窃盗の過去を明かして活動停止となった。
もちろん一番悪いのは窃盗をした本人である。それを隠せとは言わないが、番組でそれを笑いながら公開した本人の良識を疑わざるを得ない。しかしである。多数の付き添いや、番組担当者、スタッフたちはその収録を公開することに問題を感じなかったのだろうか。生番組ではないのだからいくらでも止めることができたはずであるが。
目上の社員を呼び捨てした新入社員を正そうとして暴行し、活動自粛したタレントがいたが、あれももちろん暴力はいけない。であるが、若い人たちの行動が理解できないことが管理人にも増えてきた。悪いこととは感じず自分のポエムに他人の作品を少しずつ取り入れていたタレントが自粛した例もあった。なぜ悪いことに気がつかなかったのか。というより気づかせてあげることができなかったのか。
若いとはいえ社会で立派にやっている人たちが案外常識を知らない、また未成熟であったためにこうした不祥事や、場合によっては殺人事件まで起こす。未成年や経験の少ない者に対して、指導してくれる、または指導できるリーダーが会社や学校、社会全体で減ってきたのではないか。会社ではリストラ、学校では教育委員会が権力を振るい、家庭では親と子のすれ違い。誰も叱ってくれたり力になってくれる人がいない。その反面テレビやインターネット等のメディアを見て覚えれば、そうした人たちの助言がなくてもそこそこ社会でやっていけるのも事実である。
世間にこうした問題を問うと、すぐ道徳や教育の強化と結びつけて、やれ「日の丸」だ、「君が代」だ、「勤労奉仕」だと、どさくさ紛れに戦前に戻ろうとする。殺人事件が多ければ学校に警察を常備するし、裁判を短くして死刑をどんどん執行すれば良いとする。そんな考えしか持てない今の社会に状況を良くするものは何も見出せない。
「管理人はどう思うか?」だが。申し訳ないが結論が出ない。本当に悪いのはこうして分析していながら何もしない管理人なのかもしれない。
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■通販のあり方(2005.2.7)
先日、家具や家電をいろいろ購入した。便利な時代である。インターネット上から欲しいものを選べば支払いいろいろ、配送いろいろ、会社もいろいろである。特に支払いなどはクレジットや銀行振り込みはもちろん、現金での代引きも可能である。さらに配送は時間指定ができるから、日中いなくても夜遅い時間や土日指定もできたりする。荷物の大小にかかわらず玄関先まで届けてくれるのだ。場合によっては家の中に設置してくれたりもする。いやあ本当に便利だ。通販があれば街に出る必要なんかないではないか。
しかしよく考えて欲しい。というか偉そうに言う管理人もすっかり感覚が麻痺していて、今回は反省しているのだが、この便利さの裏では宅配便の従業員、特にその配達員にすべての負担がかかっていることを知った。
代引きは実に便利である。カード支払いの不安もなければ銀行へ振り込みに行く必要もない。手数料がかかるが銀行振り込みの送金手数料と変わらない。しかし、現金を持ち歩く配達員に危険はないのか。チャランチャランと小銭の音を鳴らして走る配達員は、周囲に「お金を持ってます」と言ってまわっているようなものである。おつりの心配もしなくてはならない。細かい金など用意する客など少ないであろうし、両替をするためにわざわざ引き返したり、飲みたくない缶コーヒーを買うこともあるかもしれない。これまで安全運転と荷物の運搬に注力すれば良かった配達員に、新たな負担となってはいないか。
また通販業者は、大型家電や家具も、普通の「宅配便」の扱いで出している。宅配便の方が送料が安いためである。しかしそれら商品の重量たるや、とんでもないものである。通販の普及で様々なものが荷物として流れるようになり、配達荷物は大型化した。このとき積み込み作業や配達員の宅配における苦労はいかなるものか。先日も、あろうことか愚かなわたくし管理人は、40Kgもある机を注文し、一人で配達する宅配の人を助ける事態になった。まさかあれを一人で配達してくるとは思わなかった。トラックの荷台から玄関までのわずか数mであるが、二人で運んでも相当な負担である。通販の但し書きには「運搬のお手伝いをお客様にお願いする場合があります」とは書いてはあるが、こんな但し書きひとつで重量物を宅配便に出す通販業者もどうかと思うし、その荷物を宅配便として受け取る運搬会社もどうかと思う。まあ一番悪いのは注文主かもしれないが。たとえ送料が上がろうとも一般便で送るべき荷物である。
配達日時指定も、勤め人にはありがたい限りであるが、土日や20時以降などの指定は、配達員にどんな勤務シフトを強いているか非常に不安である。
最近では、親方日の丸状態であった郵便局も、その莫大な資本力(税金!)を使って本格的に宅配へ参入したため、中小の宅配会社にとってはすでに死活問題となっている。さらにガソリン等の燃料費高騰は運搬コストに跳ね返る。どんな事情があろうと依頼を断ることなどできない。稼げるうちに何でも引き受ける。そんな運搬会社のスタンスによるシワ寄せが、配達員にまわっているような気がする。かといってどうすることもできないのだが、この点を常に気に留めて通販を利用したいものである。
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■遅ればせながら(2005.1.23)
昨年を振り返る。管理人の独断で2004年を、セキュリティ元年としたのがちょうど1年前であった。ウィルスや情報漏えいに対する、利用者や企業の危機意識が高まる年になると予想したのだが、見事に裏切られた。100%と言わないまでも、一般利用者のコンピュータにはウィルス対策ソフトが導入され、企業の公開サーバには万全の不正侵入対策が施され、これまで見られたウィルスや情報漏洩、スパムメールの乱れ飛びは終息する...という、あまりに甘い見通しを立てた管理人なのだった。
筆頭に大手企業のずさんな情報管理の実態が表に出る年でもあった。ニュースでは頻繁に情報漏洩事件が報道され、有名企業の名前がいくつも公表された。情報漏洩の責任から営業を謹慎した通販会社が、人々の同情を買って有名になった例もあった。自分たちの名前や電話なんぞこの程度の扱われ方なのだなと気がついた人が少しでもいればささやかな警鐘にはなったであろう。
ウィルスという言葉はすでに病原菌ではなく、一般的にコンピュータのそれを指すようになった。毎日というより毎時間新たに発生するウィルスに対して、回線の入り口に駆除ゲートを設けるプロバイダが増えたのも昨年からのような気がする。これにより、ウィルス駆除対策を全く何もしない愚かなユーザの垂れ流すウィルス被害はある程度抑えられるかもしれないが、けっしてこれは十分なものではない。コンピュータにもウィルス駆除ソフトを備えて初めて基本的な対策と言えるのだが、プロバイダの駆除ゲートを過信したユーザがかえって増え、コンピュータ本体への駆除ソフトの導入が鈍りつつあるのは問題である。
流行病のように騒がれ、そして忘れ去られてしまった、住民基本台帳。いろいろな情報漏洩の可能性があるとしながら、政府の強引な導入が行なわれてしまった。抵抗する自治体もあったが、国からの援助金が支えの立場では正直なところ、受け入れるよりなかったのだろう。管理人は今回引越しをしたが、移転手続きの中で、何度となく10数桁の自分の基本台帳番号を目にした。結局いつのまにか我々の情報は、市民一人一人に付けられた背番号により、右から左へ処理されている。住民基本台帳に登録したお陰で移転手続きと転入手続きが一箇所でいっぺんに済むそうな。ありがたや。
今年はもう何も予想しない。ただ平和な1年であってほしい。今こつこつとネットワークへのいたずらを企てている諸君は、もう大人なんだから、人の迷惑になるようなことはやめて、前向きな方向へ技術を生かして欲しい。その方が絶対かっこいい!
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