■2007年の業界
昨年のIT業界での大きなできごとはやはり、ラ社のつまづきであろう。真相はどうであれ、裁判官までもが公判で感情をむき出しにするさまは公平ではない。いかにこの業界の人間が嫌われているかがわかる。『好きな時間に働いて高級住宅に住み、贅沢三昧。どうせろくなことをしちゃいない』これがその印象なのだろう。そこには、汗水たらして苦労して働くことが善、楽して稼ぐことを悪とする考えが根強い。
遅ればせながら最近管理人は、英会話を習い始めた。自己紹介の際に自分の職業を、『化学製品を扱う会社で、情報管理の仕事をしています。』と説明するのだが、『コンピュータ会社に勤務している』と思われてしまう。管理人の英語力の問題ではあるが、ITは一業種としてだけでなく、他業種の情報管理部門としても存在する不思議な職業だ。他の業種では例がないのではないか(物流や通信がこれに似るが規模は比でない)。
古くから職場にいた人にとって、こうしてどこにでも顔を出すコンピュータと、それを自慢げに動かす若い世代には抵抗があるのだろう。特に後者は生意気で常識を知らないと思う人が(ほんの一握りではあるが)、同年代からみても目立つと思うから、その人たちからすれば尚更であろう。ITという技術が奇異な人たちが趣味で始めたという印象がなくならない限り。
これまで唯我独尊、周囲を考えずに技術革新にばかり走ってきたが、今後はそんな印象も変えていかなければ同じ悲劇が起こりかねない。
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